福岡市長不信任案

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本議会は、福岡市長吉田宏君を信任しない。
以上、決議する。

平成  年  月  日

福岡市議会

理 由

第1は、吉田市長が重大な公約違反を犯していることであります。

周知の通り、一昨年の市長選挙での吉田市長の公約は「こども病院の人工島への移転計画を見直します」というものでした。当時の山崎市長が市立二病院の統合・人工島移転を推進していたため、患者家族のみなさんをはじめ多くの市民が移転中止を期待したのは当然であります。

ところが吉田市長は、前市長の方針を見直すどころか継承、継続し、同じコンサルタント会社に調査業務を委託して恣意的な報告書を出させ、また費用試算の勝手な上乗せまでして、「人工島移転が最適」との結論を導いたのであります。名ばかりの「検証・検討」で人工島移転を着々と進めてきた吉田市長のやり方は、まさに市民を愚弄する、卑劣極まるものであります。吉田市長の公約違反は誰の目にも明らかであり、「裏切りだ」「うそつきだ」との厳しい批判の声が市民の間で大きく渦巻いているのであります。

それにもかかわらず、吉田市長は「新病院基本構想案」を策定して、今議会に関連補正予算案を提出し、本日にいたるも撤回しようとしておりません。

吉田市長は、「大胆に見直す」と公約していた人工島事業についても、埋め立て事業と巨額の税金投入による破たん救済を推進し、2年連続で200億円を超す予算を充てております。こども病院移転を起爆剤にして公共施設建設やインフラ整備など人工島開発を進めることを狙い、また人工島への企業誘致に一社最大10 億円の立地交付金の投げ渡しまでしようとしています。さらに「厳しく見直す」と公約していた大規模開発についても、市長策定の「グランドデザイン」では歴代市長が旗印としてきた「アジアの交流拠点都市」づくりの継承を打ち出し、新都心構想や九大学研都市構想などムダな大型開発を進めようとしているのであります。こうした背景に、博多港開発の融資銀行である福岡銀行政治資金パーティー券を購入してもらっていたこと、自身の誕生日に地元財界幹部と宴席をともにしていたことなど、吉田市長と財界との関係があることを指摘せざるを得ません。

吉田市長の公約違反はこれにとどまらず、「中止する方向で見直す」と公約した公立保育所民営化は推進へ、「小学校全学年で早期実現」と公約した35人以下学級は今年度拡充せず、「留守家庭子ども会の無料化」も実現しませんでした。また、高齢者や障害者に対する公共料金等の負担軽減措置も公約に反して実施されていません。

そもそも政治家の公約とは有権者との約束であり、公約違反は自身の存在意義をも問われる重大問題であります。その公約が、いとも簡単に破られることに市民が怒るのは当然です。しかも、吉田市長が公約違反を指摘されても、何ら反省することなく開き直っていることは、市民の怒りの火に油を注いでいるのであります。重大な公約違反を繰り返す吉田市長に市長たる資格のないことは明白であります。

理由の第2は、吉田市長が市民を無視する姿勢をとり続けていることであります。

こども病院の人工島移転について言えば、圧倒的多数の市民が反対しています。市議会へ提出された請願署名は9万7,000人、市長宛の陳情署名は8万 3,000人、総計18万を超えています。これは市長の得票数である17万 7,000をも上回る規模であります。自民党市議団のアンケート調査でも反対が83%に上っています。

ところが吉田市長は、こうした市民の声に全く耳を傾けようとしていません。昨年の「検証・検討」における市民意見募集では人工島移転反対の意見が多数だったものの無視しました。今年 7月に開いた市民説明会及び患者家族説明会では反対意見ばかりだったのに、これも無視しました。まるで理解しない市民が悪いと言わんばかりです。

さらに、医療関係者や患者家族などが、交通アクセスや療養環境、医師不足などの問題があるため人工島移転では子どもの命が守れないと切実な声をあげているにもかかわらず、全く聞こうとしない市長の態度は異常の極みであります。小児科医師や産婦人科医師など専門医師が繰り返し反対意見を申し入れても、市長は会おうともしていません。患者家族から要請されて初めて市長も説明会に出席しましたが途中で打ち切り、これ以上聞いても溝は埋まらないとして事実上の最後通告を突きつけたのであります。

吉田市長は、山崎前市長の市政運営を「市民の手から遠く離れたところで何もかも決まってしまう」と批判していました。そして「『聞く』ことは私の政治姿勢そのもの。政治にとって一番大切なことは、なによりも有権者に嘘をつかないことです」「聞く耳を、聞く心を持たない市政はもう終わりにしよう」と訴えていました。その吉田市長が豹変したわけですから市民の怒りは当然です。市政に対する市民参加の重要性が叫ばれている今日、市民意見を聞くことさえまともにできない吉田市長にこれ以上市政運営を任せるわけにはいかないのであります。

以上の理由から、吉田市長の責任は重大であり、市民の市政に対する信頼回復は望めません。よって、市長としては不適格と判断し、ここに吉田市長の不信任を決議するものであります。